学校の成績は非常に良いが、適性検査の得点は低い??

Benesse教育研究開発センターは、東京都内の複数の小学校の協力を得て、岡山操山中学校の平成15年度適性検査問題(検査I・II)を小学校6年生に解答してもらい、その結果の分析を公表しています。

詳しくは、BenesseのHPを見ていただくとして、子供たちを以下の4つの分類をしたようです。



A:学校の成績に問題があり、適性検査の得点も低い。
B:学校の成績は非常に良いが、適性検査の得点は低い。
C:学校の成績はやや問題があるが、適性検査の得点は高い。
D:学校の成績もよく、適性検査の得点も高い。



そして、結論として、


「学校の成績と適性検査の結果には、一定の相関関係がみられる」
「小学生としての基礎・基本がきちんと身についていない子ども(Dグループ)は、適性検査でも、やはり厳しい結果になる」



と結論付けています。これについては、納得できると思います。

さらにBenesseは、踏み込んで


「学校の成績は中ぐらいだけれども、適性検査の得点が非常に高い子ども(Bグループ)や、学校の成績はいいのに、適性検査の問題には対応できない子ども(Cグループ)が存在する」 この差はどこにあるのか?


こう問いかけています。そして、


この問題では、教科で学習したことを日常の生活の中で使いこなす力が問われています。日頃から生活の中で直面した問題に対して、どう解決していくかを自分で考える「生活力」が、適性検査では試されているのです。学校の勉強はできても、この「生活力」がない子どもは、これから生きていくうえで出合うさまざまなことを自分で解決できない危険があります。

一方、学校の成績は中ぐらいだけど適性検査の得点がとても高い子ども(Bグループ)は、さまざまな体験などを通して、自分の行動や考えがしっかりできている可能性が高いのです。

「生活力」を身につけるための豊かな経験や、自ら意欲的に学ぶ姿勢をしっかり育てることが、今後は一層重要になります。

10年後、大人になっても実社会で生きる力。それは家庭でこそ育つ力。

ここで見てきた適性検査の問題分析結果は、多くの公立中高一貫教育校のそれに当てはまります。また、最近の大学入試でも、「生活力」「知識活用力」が求められる傾向にあります。・・・・・・・


と締めくくっています。

いかがでしょうか? あなたのお子さんはどのタイプですか?

特に、
B:学校の成績は非常に良いが、適性検査の得点は低い。
C:学校の成績はやや問題があるが、適性検査の得点は高い。


この2つのタイプは、微妙でなかなかわかりにくい点です。我が子がBタイプであれば、えらいこと。

公立中高一貫校の出現で、今まで表しにくかったこうした点がハッキリした数値として発表されるのは、すごくいいことですね。

Benesseの言う、まさに「大人になっても実社会で生きる力。それは家庭でこそ育つ力」がこれからの時代は一貫校だけでなく問われるということですね。

※関連HP
岡山操山中 適性検査問題

※関連記事

朝日新聞 わくわくネット 2006.3.22



生徒の自主性を尊重 岡山操山中、総合学習に力                                
県立初の併設型中高一貫校として2002年に開校した岡山操山中学校(岡山市浜)。

確かな学力を育成する一方、多様な価値観を養いよりよく生きる力を育むため、「総合的な学習の時間」にも大きな力を入れる。職場体験学習の訪問先選びなど、可能な限り生徒の自主性に任せるのが特徴で、県外研修にも出かける。

3年生はA4判20ページの卒業論文を提出して卒業する。卒業前の集大成として2月にあった3年生代表9人による研究発表会をのぞいてみた。

研究発表 テーマ様々各自が工夫
 
「人生に失敗や不安は付き物ですが、幸せになるにはすてきな人間性を持つことが大事です」
 
同校の多目的教室。三好佑貴さんがモニター画面を使い、幸福に生きるための心の持ちようについて話し始めた。
 
昨年の東京研修で訪ねた青山学院大学の研究者へのインタビューなどをもとに、心の知能指数と言われるEQや、未来の可能性を奪う思考形態「どうせ思考」などについて説明していく。
 
「自分の人間性をキラキラに磨いてください。幸せですてきな未来のために」と締めくくると、約120人の同級生から大きな拍手がわき起こった。
 
杉山高志さんは「The Beauty of Japan」と題して、未来の日本の流行を予測。「デザインが簡素で、誰もが使いやすい」を流行の条件と定義した上で、帯締めなどが不要な着物を提案。テレビドラマ「古畑任三郎」のテーマ曲を流しながら、原稿なしで一気に話す。軽妙な語り口に爆笑の渦が何度も巻き起こった。
 
持ち時間は各12分。一方通行の発表ではなく、実験やクイズを織り交ぜ、各自がプレゼンテーションの仕方を工夫した。発表会という堅さはなく、まさに知的エンターテインメント。発表が終わる度に、同級生や先生から驚きや称賛の声が飛んだ。
 
同中の新1年生は「総合的な学習の時間」で、本格的な学習を始める前に、電話のかけ方やインタビューの仕方、礼状の書き方などを実習を交えて学ぶ。2年次の職場体験学習や京都研修、3年次の東京研修など社会人に接して学ぶ機会が多いのを見据えてのことだ。
 
訪問先や話を聞く相手は、学校側のおぜん立ての中から選択するのでなく、原則的に生徒自らが訪問先を探して面会の約束を取り付ける。
 
数人でグループを組み、生徒たちだけで移動した東京研修の訪問先は、外務省、最高裁、フジテレビ、浅草寺、ロックンロールミュージアムなど約100カ所と多岐にわたった。学期ごとに問題解決能力などを自己評価し、次の学期の課題設定につなげている。
 
国連職員など将来は世界を舞台に活躍したいという杉山さんは「生徒の積極性や主体性を重んじ、チャンスをたくさん与えてくれたのがうれしかった。高校では県内外の発表会に挑戦したい」。
 
岡田浩明校長は「生徒らの希望を第一に尊重するため教員の負担は大きいが、その分、生徒の成長に対する喜びもひとしお。知識だけでなく行動する人物を育てるため、意欲と能力を最大限伸ばせる環境を提供し続けたい」と話している。
朝日新聞 わくわくネット 2006.3.22




横浜市磯子区家庭教師
千葉県夷隅郡家庭教師
いすみ市家庭教師

公立中高一貫校 選抜も個性競う

中高一貫教育校が受験準備に偏した教育を行なわないように、また、受験競争の低年齢化が生じないように各校に呼びかける文部科学省。

さて、その各校が出題している「問題」はどんなものなのか?

まずは読売新聞をご覧いただこう。


2006年1月13日 読売新聞


大原予備校の中高一貫校向け模試(先月11日) 東京で増える公立中高一貫校。その選抜方法から個性が見える。

解答用紙には、日本地図が描かれていた。

「あなたが江戸時代の将軍だとしたら、(五街道に続く)6本目の街道をどこに作りますか。地図に書き込み、その理由を50字以内で答えなさい」

昨年11月、都内に本部のある進学塾「栄光ゼミナール」が行った、都立中高一貫校向け模擬試験の問題の一つだ。「記述式で、論理的思考力を重視した」と山中亨・進学指導部課長。模試は、塾生や保護者の強い要望で実現した。

今春、東京都内には公立の中高一貫校が一挙に4校も誕生する。旧制中学からの伝統校である、都立両国高校付属中と小石川中等教育学校、都立大付属高を前身とする桜修館中等教育学校、都立高を千代田区に移管して区立で作る九段中等教育学校。先行する他県と違い、それぞれ独自の「適性検査」を課すだけに、個性を競わざるを得ない。

栄光では、一足先に昨春開校した都立第1号、白鴎高校付属中学校の問題や、今春開校する学校側が出した見本の問題を分析した。

模試には約1200人が参加。学校の採点基準も明確でないため、受験料は無料にした。「私立中受験のノウハウは役に立たない」と塾側の手探りも続く。

東京都が中高一貫校を設ける理念は明確だ。「自分で考え、判断し、集団の中で積極的に働く、リーダーを育てたい。だからこそ、自分で課題を見つけだす能力を見たい」(都教委学務部の坂本和良副参事)

都の姿勢は、昨秋に出された見本問題からも読み取れる。例えば、小石川は、豪州シドニーの月ごとの気温・降水量のグラフと、1日の気温の変化という二つのグラフを関連づけて、夏休みに旅行に行く時の服装について考えさせた。

「小石川は理数系、両国は資料分析を重視しているようだ。桜修館の特徴は作文を課すこと」と、見本問題を分析するのは、各校向けのそっくりテストを実施する大原予備校の宮沢協塾長だ。先月の2回目のテストも知恵を絞った。

小石川向けには、科学館見学の親子の会話を参考に、太陽と惑星の距離や、地球が自転していると分かる理由を推測し、自分の考えを書かせた。

両国向けには、食料自給率の推移や肉用牛飼育農家の規模の資料を示し、牛肉の小売価格の高い理由や、食料自給率が減っていくとどんな問題が生じるかを論じさせた。見本問題通り、300字以上400字以内の作文を書かせたのは桜修館向けだ。

区立の九段向けには、自分の意見だけでなく、随筆の作者の考えをまとめさせる標準的な問題も出した。

「自分の考えを書くと言っても、小学生が、それほど素晴らしい解答を書けるわけではない。自分の体験に引きつけ、考えを相手にきちんと伝えられるかどうかが勝負」(宮沢塾長)

日々の生活で、はぐくまれている子供の総合的な学力が問われることになる。(大木隆士)

(2006年1月13日 読売新聞)



公立中高一貫校では、試験ではなく「適性検査」と呼ばれます。内容は私立中学入試のように小学校の各教科の内容を問うものではなく、身近な題材を用いた課題を自分で考えながら、文章などで表現する問題が中心で、教科横断的な問題が出題されます。

求められるのは、「総合的な学力や問題解決能力」。

ただし、算数については、単純な計算問題や基本問題といわれるような出題もありました。特に目に付くのは、「割合」「速さ」の計算問題で、ほとんどの学校で出題されたようです。

実は、2005年度までは、数学的な考え方や発想を問う応用力や思考力の問題が多く出題されたのに対し、2006年度は、いわゆる算数分野の計算や基本問題が多く出題されたのです。

これは大きな変化として受け止められています。思考力や応用力だけに目を奪われずに、基礎的な学力が当然ながら求められているということでしょう。

また、一部では私立中学受験者が塾で勉強しているような内容、いわゆる「ニュートン算」「旅人算」「消去算」などの出題もありました。各校で特徴があるので、早い時期に過去の問題にはあたっておくことが必要でしょう。

いずれも難易度はそれほど高くありませんが、時間制限がある中で、結構な量の問題を解く必要がありますから、私立中学用の勉強に励んできた子供たちも、少し問題などに慣れて、公立一貫校の受験に流れていくようだと、純粋に公立小学校の授業のみで受験するのは、今すぐではないけれど、かなり高い壁になっていくことが予想されます。

各校の入試問題はこちら

千代田区立九段中等教育学校 適性試験問題

東京都立小石川中等教育学校 適性試験問題

都立白鴎高等学校附属中学校 適性検査問題

両国高等学校附属中学校 適性検査

東京都立桜修館中等教育学校 適性検査問題・作文


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