公立中高一貫校 選抜も個性競う

中高一貫教育校が受験準備に偏した教育を行なわないように、また、受験競争の低年齢化が生じないように各校に呼びかける文部科学省。

さて、その各校が出題している「問題」はどんなものなのか?

まずは読売新聞をご覧いただこう。


2006年1月13日 読売新聞


大原予備校の中高一貫校向け模試(先月11日) 東京で増える公立中高一貫校。その選抜方法から個性が見える。

解答用紙には、日本地図が描かれていた。

「あなたが江戸時代の将軍だとしたら、(五街道に続く)6本目の街道をどこに作りますか。地図に書き込み、その理由を50字以内で答えなさい」

昨年11月、都内に本部のある進学塾「栄光ゼミナール」が行った、都立中高一貫校向け模擬試験の問題の一つだ。「記述式で、論理的思考力を重視した」と山中亨・進学指導部課長。模試は、塾生や保護者の強い要望で実現した。

今春、東京都内には公立の中高一貫校が一挙に4校も誕生する。旧制中学からの伝統校である、都立両国高校付属中と小石川中等教育学校、都立大付属高を前身とする桜修館中等教育学校、都立高を千代田区に移管して区立で作る九段中等教育学校。先行する他県と違い、それぞれ独自の「適性検査」を課すだけに、個性を競わざるを得ない。

栄光では、一足先に昨春開校した都立第1号、白鴎高校付属中学校の問題や、今春開校する学校側が出した見本の問題を分析した。

模試には約1200人が参加。学校の採点基準も明確でないため、受験料は無料にした。「私立中受験のノウハウは役に立たない」と塾側の手探りも続く。

東京都が中高一貫校を設ける理念は明確だ。「自分で考え、判断し、集団の中で積極的に働く、リーダーを育てたい。だからこそ、自分で課題を見つけだす能力を見たい」(都教委学務部の坂本和良副参事)

都の姿勢は、昨秋に出された見本問題からも読み取れる。例えば、小石川は、豪州シドニーの月ごとの気温・降水量のグラフと、1日の気温の変化という二つのグラフを関連づけて、夏休みに旅行に行く時の服装について考えさせた。

「小石川は理数系、両国は資料分析を重視しているようだ。桜修館の特徴は作文を課すこと」と、見本問題を分析するのは、各校向けのそっくりテストを実施する大原予備校の宮沢協塾長だ。先月の2回目のテストも知恵を絞った。

小石川向けには、科学館見学の親子の会話を参考に、太陽と惑星の距離や、地球が自転していると分かる理由を推測し、自分の考えを書かせた。

両国向けには、食料自給率の推移や肉用牛飼育農家の規模の資料を示し、牛肉の小売価格の高い理由や、食料自給率が減っていくとどんな問題が生じるかを論じさせた。見本問題通り、300字以上400字以内の作文を書かせたのは桜修館向けだ。

区立の九段向けには、自分の意見だけでなく、随筆の作者の考えをまとめさせる標準的な問題も出した。

「自分の考えを書くと言っても、小学生が、それほど素晴らしい解答を書けるわけではない。自分の体験に引きつけ、考えを相手にきちんと伝えられるかどうかが勝負」(宮沢塾長)

日々の生活で、はぐくまれている子供の総合的な学力が問われることになる。(大木隆士)

(2006年1月13日 読売新聞)



公立中高一貫校では、試験ではなく「適性検査」と呼ばれます。内容は私立中学入試のように小学校の各教科の内容を問うものではなく、身近な題材を用いた課題を自分で考えながら、文章などで表現する問題が中心で、教科横断的な問題が出題されます。

求められるのは、「総合的な学力や問題解決能力」。

ただし、算数については、単純な計算問題や基本問題といわれるような出題もありました。特に目に付くのは、「割合」「速さ」の計算問題で、ほとんどの学校で出題されたようです。

実は、2005年度までは、数学的な考え方や発想を問う応用力や思考力の問題が多く出題されたのに対し、2006年度は、いわゆる算数分野の計算や基本問題が多く出題されたのです。

これは大きな変化として受け止められています。思考力や応用力だけに目を奪われずに、基礎的な学力が当然ながら求められているということでしょう。

また、一部では私立中学受験者が塾で勉強しているような内容、いわゆる「ニュートン算」「旅人算」「消去算」などの出題もありました。各校で特徴があるので、早い時期に過去の問題にはあたっておくことが必要でしょう。

いずれも難易度はそれほど高くありませんが、時間制限がある中で、結構な量の問題を解く必要がありますから、私立中学用の勉強に励んできた子供たちも、少し問題などに慣れて、公立一貫校の受験に流れていくようだと、純粋に公立小学校の授業のみで受験するのは、今すぐではないけれど、かなり高い壁になっていくことが予想されます。

各校の入試問題はこちら

千代田区立九段中等教育学校 適性試験問題

東京都立小石川中等教育学校 適性試験問題

都立白鴎高等学校附属中学校 適性検査問題

両国高等学校附属中学校 適性検査

東京都立桜修館中等教育学校 適性検査問題・作文


東京都板橋区家庭教師
伊丹市家庭教師
市原市家庭教師
posted by キロリ at 17:27 | Comment(1) | TrackBack(0) | 入試問題
この記事へのコメント
適正検査の答えは一つですか。
Posted by 澤田ミキ at 2011年02月04日 22:48
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