「受験エリート校」にはならない?

公立の中高一貫校の設立の目的は、これまでの中学・高校に加えて、新たな選択肢として、誰でもが中高一貫教育も選択できるように整備して、選択肢を増やして、教育の多様化を図ることでスタートしたものです。

文部科学省は、


公立の中高一貫校が受験準備に偏した教育を行う、いわゆる「受験エリート校」になったり、受験競争の低年齢化が生じるようなことは、教育改革に逆行するものであり、あってはならないことです。

中高一貫教育校の設置と運営に際しては、これらの点に十分に留意がなされる必要があります。特に,公立の中等教育学校及び併設型中学校では、入学者の決定に当たって,学力検査を行わないこととしているので,それぞれの学校の特色に応じて,例えば,面接,実技,推薦,抽選等の方法を組み合わせて行われることとなります。


と述べています。

しかし、実際には、平成16年4月に開校した併設型中高一貫教育校広島県立中学は、教育目標として「1期生国公立大学合格者数70%以上」という目標を掲げており、HPで内外の公表しています。
広島県立中の教育目標


このようにはっきりと明言するところはまだ少ないですが、「中等教育学校」と「併設型」の公立中高一貫校のほとんどが大学進学で実績を上げることを前提にさまざまな施策を行っていくことになるでしょう。

公立中高一貫校各校が掲げる特色やユニークな取り組みは、いずれも一定以上の学力が求められるものばかりであり、特色やユニークさはショートケーキで言えば、生クリームの部分、大学実績がスポンジの部分、それぞれワンセットであると考えたら良いでしょう。

参考までに都立の公立中高一貫校が掲げるテーマを紹介しましょう。



千代田区立九段中等教育学校
「日本語力を基礎としたグローバルコミュニケーション能力の育成」「キャリア教育の推進」

東京都立小石川中等教育学校
「理科好き、数学好きを育てる自然科学教育」「聞く・話す・読む・書く」の総合力を重視する英語教育」

都立白鴎高等学校附属中学校
「日本語・英語の表現能力を高めるプレゼンテーション」「日本の伝統文化を学ぶ日本文化概論・邦楽」

東京都立桜修館中等教育学校
「コミュニケーション能力の育成を重視する英語教育」「論理的な思考力の育成」「国際社会で活躍するリーダー育成」

両国高等学校附属中学校
「多元的な見方を育て、世界的な視野を培う人と社会」「人と自然」「人と文化」



また、塾業界最大手の栄光ゼミナールの山中亨・進学指導部課長の「実際に授業が始まり、在校生の様子や大学受験の実績を見なければ、本当の評価は定まらない。今はイメージで人気が高まっているが、(私立中と)どちらがいいかを実績で選ぶ時代が来るだろう」とのコメントも印象深い。

新設校でまだ評価のできない状態でも行くか、評価が定まってから行くか。しかし、子供の学年は待ったなし。悩んでしまいますが、悩み続けるのはよくありません。ご決断を!

以下、読売新聞の記事参照

2006年2月3日 読売新聞 


公立中高一貫校の“入試”、5000人が挑戦

東京都内で今春開校する公立の中高一貫校4校で3日午前、入学試験にあたる「適性検査」が行われた。

昨春開校の1校も含む5校には、定員総数の9倍強にあたる計6670人の応募が殺到したため、内申書による一次選抜を3校で実施、この日は5校で約5000人が“12の春”の試練に挑んだ。

私立中学受験が過熱する中、授業料が安い公立校も中高一貫教育に乗り出したことで、中学受験の現場に「新たなブーム」(大手進学塾)が生まれつつあるようだ。

5校の内訳は、都立4校と千代田区立1校。最も倍率が高かったのは都立小石川中等教育学校(文京区)で、155人の募集枠に1907人が応募、12・30倍の難関となった。23区初の設置となる千代田区立の九段中等教育学校では、定員160人のうち、区民以外の都民募集枠80人を確保したところ、888人が応募、同枠の倍率は11・1倍に跳ね上がった。

同校のセールスポイントは、予備校講師を招いて土曜日に隔週で行う補習や、オーストラリアへのホームステイなど。計5回開いた学校説明会には、延べ1万人以上が集まった。

都立側も、「理科好き、数学好きを育てる自然科学教育」(小石川)、「論理的な思考力の育成」(桜修館中等教育学校=目黒区)など、それぞれ独自色を打ち出している。都教育庁では「(高倍率は)特色ある教育に対する関心と期待の表れ」と自己分析し、進学塾の市進学院は、「地元の公立中と同じ費用で高いレベルの教育を受けられるからでは」と推測する。

都は2010年度までに中高一貫校を10校に増やす方針。神奈川県でも09年度に2校、千葉県でも08年度までに2校、埼玉県でも07年度に1校の新設予定がある。

公立の中高一貫校は、1997年の中教審の答申を受け、99年から登場した。現在、高校入試がないタイプの一貫校は全国に46校で、新年度以降、30校以上の開校が予定されている。

これを受け、塾側も一昨年ごろから、公立中受験向けの講座を相次ぎ開設している。大手進学塾の担当者は「公立の参入で中学受験そのものに関心のある人が増え、塾にとってもマーケットが広がった」と語る。

ただ、私立中と違い、制度上は「学力試験」を課すことができないため、適性検査の出題傾向について都は「分析力や表現力を試す記述式が中心」と説明する。

栄光ゼミナールの山中亨・進学指導部課長は「実際に授業が始まり、在校生の様子や大学受験の実績を見なければ、本当の評価は定まらない。今はイメージで人気が高まっているが、(私立中と)どちらがいいかを実績で選ぶ時代が来るだろう」と話している。

(2006年2月3日 読売新聞) 


※関連HP

千代田区立九段中等教育学校

東京都立小石川中等教育学校

都立白鴎高等学校附属中学校

両国高等学校附属中学校

東京都立桜修館中等教育学校



市川市家庭教師
一宮市家庭教師
岩倉市家庭教師
posted by キロリ at 17:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 公立中高一貫校ニュース
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